軽音サークルの見学に向かうあすかの心は、期待で弾んでいた。
教室のドアを開けると、エレキギターの音色が鮮やかに響き渡る。
メンバーたちが、楽しそうに演奏しているのだ。
「こんにちは、1年の大月あすかです。志望パートはギターで、ボーカルもやりたいです。」
あすかが挨拶すると、先輩たちが温かく向かい入れてくれた。
「ギター志望なの?ボーカルもできるって最高じゃん!」
サークル長の山田先輩が、両手を挙げてはしゃいでいた。
即,体験的に練習に参加してみることになった。
あすかの歌声に先輩たちから歓声が上がった。
「あすかちゃんの声、透き通ってて惹きつけられるね。」
そのとき憧れのギターを初めて触り、あすかは感激で言葉を失った。
サークルの雰囲気に心を掴まれ、あすかはその日のうちに入部を決意した。
「みんなで音楽を作るって素敵だな。」
帰り道、あすかは心からそう感じていた。
その日の夜、あすかはおじいちゃんに手紙を書くことにした。
「大学生活が始まったよ。軽音サークルに入ったんだ。
自分を表現するような曲を作るから、おじいちゃんにも聴いてもらいたいな」
ペンを走らせながら、あすかはサークルでの未来を思い描いていた。
「さて、気を取り直して明日の授業の予習をしよう。特に苦手な英語のテキストは、しっかり読み込まないと。」
あすかは机に向かった。
軽音サークルとの新しい出会いに心躍らせつつ、学業にも気を引き締めるのだった。
つづく。