3つの学問分野

航空宇宙学専攻ので学べる3つの学問分野

飛翔体や空気力学について究める

航空工学

飛翔体の周りの気流の解析・空気力学的 性能の評価や最適化、飛翔体の設計・制 御などを学び、航空機とそれに関わる周 辺技術を習得します。

キーワード

流体、飛行、空力、構造、材料、振動、設計、製作

何のために学ぶのか?

航空機や宇宙機は、空気中や宇宙空間を高速かつ安定に、また、安全かつ快適に飛行しなければなりません。そのため、航空宇宙機を研究・開発するためには非常に高度な技術が必要となります。

流れの抵抗を減らし、大きな揚力を得るためにはどのような翼の形が最適か、低コスト・低振動・低騒音を実現するエンジンとは何か、機体を軽く頑丈に作ることができる材料や構造とは何か、あるいは、安全で快適な飛行を実現するたにはどのように機体の運動を制御すれば良いか、など学ぶ内容は広い範囲に及びます。

これに加えて近年、航空機の発展に日本が担う役割は益々大きくなっており、写真の最新鋭の旅客機B787の機体の約3割は日本で開発・製造されています。また、それを支える産業界も国内外に幅広く存在します。そのような場で活躍できる人材を育成するために、航空工学分野では豊富な履修科目を用意しております。これを学ぶことにより、航空エンジニアとして活躍するために必要な知識と技術を身に付けます。

航空工学のための講義科目群

航空工学分野では、航空機や宇宙機の飛行に関わる空気の性質を学び、さらに飛行機の運動の基礎を学ぶために、「空気力学1」、「空気力学2」、「飛行力学1」、「流体力学1」などを専門基礎科目として設定しています。

また、航空機の運航や整備、超音速における飛行、エンジンのメカニズム等を学ぶために、「航空機整備」、「航空産業論」、「高速空気力学1」、「航空推進工学」、「航空機システム工学」などを専門科目として設定しています。

さらに、卒業研究と連携させて専門科目を発展させるために、「航空機の運動と制御」を主専攻発展科目として配置しています。また、「研究ゼミナール」や「卒業研究」では、流体力学や航空工学を専門とする以下の教員により、専門的な指導が行われています。

ロケットや人工衛星を究める

宇宙工学

ロケットの推進原理、人工衛星のシステ ムや軌道・姿勢制御などについて学び、 宇宙開発につながる力を身に付けます。

キーワード

宇宙機システム、推進、軌道、構造、熱伝達、振動、設計、製作

何のために学ぶのか?

地上とは大きく環境が異なる過酷な宇宙空間で、確実に動作するシステムを構築するためには、様々な専門知識を結集した総合的なアプローチが必要となります。

宇宙空間での衛星・探査機はどのような軌道に沿って航行するのか、地上局との交信が可能となるよう安定した姿勢を維持できるのか、ロケット打上時に発生する過酷な振動に耐えうる構造となっているのか等を十分に検討し、さらに打上コストを低くするため、構造を極限まで軽量化することが求められます。

例えばNASA・ケプラー宇宙望遠鏡に搭載された主望遠鏡では、軽量かつ高強度な構造を実現するため、ハニカム構造(蜂の巣構造)と呼ばれる構造様式が採用されています。

宇宙工学のための講義科目群

宇宙工学分野では、多岐に渡る専門知識の修得が要求されます。航空宇宙学専攻では、これら専門分野を学ぶにあたって必要となる基礎知識の学習を目的として、「宇宙計測・センサ工学」、「振動力学1」などの専門基礎科目を配しています。

また、宇宙利用全般に渡る知識の修得を目指した「宇宙利用技術」や、宇宙機の軌道・姿勢制御等を学ぶための「宇宙航行力学」、「宇宙推進工学」、「制御工学1」等を専門科目として設定しています。

さらに、ロケット・宇宙機に関する、より高度な知識を修得するために、「衛星システム工学」、「ロケット工学」を主専攻発展科目として配置しています。また、「研究ゼミナール」や「卒業研究」では、宇宙システム工学、宇宙構造物工学、宇宙推進工学などの専門分野に関する研究指導が、以下の教員によって行われています。

太陽や地球磁気圏の学問を究める

宇宙環境科学

私たちの生活に大きく影響を及ぼす太陽 と太陽・地磁気の相互作用で形成される地 球磁気圏について学び、科学的観測によ りこれらをより深く理解する力を養います。

キーワード

地球、大気、プラズマ、オーロラ、惑星、太陽、天文、真空、スペースデブリ

何のために学ぶのか?

私たちを取り巻く宇宙や地球の環境を理解し、それと調和のとれた科学技術の開発を行っていくことは、特に、航空宇宙を志す者にとって、大切なことです。

また、宇宙・地球科学は、近年の、航空機・気球・観測ロケット・人工衛星などを利用した、宇宙・地球観測技術の発達により、大きく進展してきています。みなさんがテレビでよく見る、気象衛星の撮った雲写真は、その一例です。

宇宙環境科学のための講義科目群

航空宇宙学専攻では、航空機や宇宙機が飛び交う場である、地球大気や地球周辺の宇宙空間についての基礎学力を養うため、「宇宙科学A」、「宇宙科学B」の授業を基礎専門科目に配しており、航空か宇宙かによらず、多くの学生が学んでいます。

また、宇宙環境科学の専門領域の基礎は、「応用電磁気学1・2」、「流体力学1・2」、「空気力学1・2」、「熱伝導工学」、「高速空気力学1・2」、「衛星システム工学」、「ロケット工学」の中に少しずつ盛り込まれており、地球大気、超真空、宇宙プラズマについて学ぶことになります。さらに、「研究ゼミナール」や「卒業研究」では、大気から地球周辺の宇宙空間、そして天文学にいたる広い範囲の宇宙・地球環境についての研究指導が、以下の4人の教員によって行われています。

航空技術コース

コース履修学生を選抜し、少人数教育を実施

航空技術コース

「航空技術コース」は、航空機の設計・開発、整備などに従事する技術 者の育成を目指します。このコースでは航空技術について幅広い知 識・技術を習得することを目標としています。授業では、航空機メー カーや航空会社から講師陣を招いて航空機の設計・開発や航空機整 備などを少人数で実践的に学ぶ科目もあります。コース履修学生は3 セメスター(2年次春学期)期末に希望者から選抜します。

2024年度からスタートします。追って情報を発信します。