未来・進路

航空宇宙学専攻での学びと成長は無限の可能性を秘めている

即戦力として社会に貢献する!

就職という選択肢

専門性が高く、就職のつぶしが効かないと思われがちな航空宇宙学専攻ですが、就職実績は全く異なったデータとなっています。航空宇宙の学問は、さまざまな工学の専門分野を総合的に集約した頂(いただき)のような学問となっているため、広範囲な知識と技術を4年間を通して身につけます。このことにより、航空宇宙学専攻の卒業生は、航空宇宙産業界や自動車業界の即戦力のエンジニアとして就職するだけでなく、コンピュータを中心とする情報処理分野や運輸、サービス業にも幅広く優秀な人材を輩出しています。

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さらに学問探究を目指す

大学院進学という選択肢

航空宇宙学専攻を卒業した後、約20%前後の学部生は東海大学の大学院・工学研究科・機械工学専攻に進学します。航空宇宙学専攻の教員は、大学院・機械工学専攻の教員でもあり、学部3年次から大学院修士2年次まで4年間を通して、1つの研究室に所属して学問探究を継続することができます。また他大学への進学も積極的に実績を残しており、航空宇宙学専攻のレベルの指標とも言えます。

深堀 昂/2007年度卒業/(全日本空輸(株)勤務)

学びも、友人との出会いも、プロジェクトも、大学の環境が後押ししてくれる

東海大学には自分がやりたいと思ったことを実現させる環境が整っています。私は、学科の専門分野(航空工学、流体力学等)を学ぶとともに、学内で出会った仲間と、社会貢献を目的とする団体を立ち上げ、活動に没頭しました。活動の一つとして、『割箸世界地図パズル』という教材を多くの仲間と連携して作りあげました。

これは、食堂で割箸が大量に廃棄されている現状を自分が変えてみたいと考えたことから始まりました。学内で同志を募り、その廃棄割箸で何ができるかを検討した結果、割箸世界地図パズルという子供向けの新しい教材を作ることを提案し、プロジェクトを立ち上げました。

しかし、自分たちだけで作っていたため、完成度が低く、メンバーのモチベーションが下がりプロジェクトが失敗に終わりそうになりました。そこで、既成観念や固定観念にとらわれず、積極的に教育関係者や物作りの経験があるNPO等、外部に協力を求めました。

すると、300を超える意見が集まり、教材を作り上げることができました。この活動は、新聞にも取り上げられ、地域の保育園、NPO等を巻き込む一大プロジェクトとなりました。こうした経験を基に、現在ANA でパイロットの技術的なサポートを行うエンジニアとして日々挑戦しています。

田中 明佳/2007年度卒業/(NECエンジニアリング(株)勤務

学生ロケットプロジェクトを通じ、幼い頃からの夢を実現

ロケットの打ち上げをテレビで見た影響で幼い頃から宇宙に興味があり、宇宙分野の仕事に就きたいと思い航空宇宙学科を選びました。本学科では、4年間で航空宇宙分野を幅広く学べます。ただ漠然と「宇宙分野について学びたい」と考えていた私にとって、宇宙工学、航空工学、宇宙環境科学の幅広い授業構成は、狭かった航空宇宙分野の視野を一気に広げてくれるものでした。また、本学科の教授、先輩、仲間からも多くの刺激を受けました。

本学科には、航空宇宙特別プロジェクトとして「学生ロケットプロジェクト」や「学生航空機プロジェクト」があり、学生同士が力を合わせ「ものづくりの楽しさ」に触れる機会があります。私は「学生ロケットプロジェクト」に参加し、自分たちで一生懸命作り上げたロケットを打ち上げました。製作し打ち上げるという工程の中には、さまざまなことがありました。

しかし、その中に楽しさを見い出すことができ、一生忘れることのない4年間を過ごせました。興味のあるプロジェクトなどに積極的に参加し、学んだことで、大学生活が実りの大きいものになりました。そして、授業や特別プロジェクトを通して、ロケットや人工衛星の構造分野に一番興味を引かれ、将来の仕事にしたいと考えました。

現在、その夢を実現し、携帯電話から宇宙関連機器まで手掛けている会社で、人工衛星搭載機器の設計開発に携わっています。大学で培った豊富な知識や経験が業務の基礎となっています。女性技術者の活躍できるフィールドは広がってきています。航空宇宙分野で自分も活躍してみたいと思う方は、男女問わずぜひチャレンジしてみてください。本学科で学ぶことは、夢を実現する足がかりになると思います。

南川 幸毅/2004年度工学研究科航空宇宙学専攻修了/(トヨタ自動車(株)勤務)

受験生の皆さん、こんにちは。突然ですが、質問させてください。

今、何に興味がありますか? 何かしたいことはありますか?
私は、受験生時代に進学先を選ぶにあたって、これを自分に問いました。そこで、
(1) 「機械工学について学びたい(理由:機械いじり好きだったため)」
(2) 「宇宙の起源が知りたい(理由:子供の頃から疑問だったため)」
という思いがあったため、航空宇宙学科を選択しました。

学生時代は、JAXAで研究する機会に恵まれ、宇宙探査機の姿勢制御や誘導制御についての研究に熱中しました。私の研究は、世界でまだ誰もやっていないことへの挑戦だったため、苦難の連続でしたが、そこが魅力でもありました。

また、自分の研究とは別に、JAXAの宇宙探査技術開発のプロジェクトに参加して、科学観測用のロケットや大気球に搭載する装置を作っていました。そのため、そのロケットや大気球の打ち上げにも立ち会うことができました。

私にとって、そこでの打ち上げや実証試験の成功体験は、かけがえのないものになっています。また、自分の所属する学科の講義に加え、他学科の講義が受けられることも、東海大学の大きな魅力でした。私の場合、動力機械工学科の自動車工学に関連のある講義を受講し、そこで自動車の開発に興味を持ち、結果的に自動車会社に就職しました。

もう一度、質問させてください。受験生の皆さん、今、何に興味がありますか? 何かしたいことはありますか?