第1話 大学生活のスタート(大月あすか)

春の陽気が心地よく満開の桜が咲き誇る4月。大月あすかは、夢にまで見た大学生活の第一歩を踏み出した。キャンパスに足を踏み入れた瞬間、胸の高鳴りと不安が押し寄せる。「天文学者になれるだろうか。勉強はついていけるだろうか。いや,いつか宇宙飛行士になる。」そう心に問いかけ続けた。

期待と不安が入り混じる中、新入生ガイダンスが始まる。緊張しながらも、席が隣になった女子学生たちと言葉を交わし,あすかは自己紹介で「将来は宇宙を目指しています」と力強く述べた。周りから感嘆の声が上がり、あすかの決意はさらに固まった。

4月,大学生活が動き出す。新しい環境に戸惑いながらも、あすかは好奇心旺盛に授業に臨んだ。線形代数と物理学の講義は刺激的で、あすかの探究心に火をつけた。英語は苦手だったが、拙い会話だが留学生の友人をつくり、一緒に勉強したり遊ぶ約束を交わした。

春の日差しが照りつけるキャンパスを歩けば、個性豊かな学生たちが行き交う。サークルの勧誘も盛んだ。そこであすかは、ふと立ち止まった。「軽音楽部」の看板が目に飛び込んできたのだ。エレキギターを手に歌う自分の姿が頭をよぎる。

「新しいことにチャレンジしよう」。あすかは勧誘のビラを手に取った。大学生活が、大きな可能性を秘めていることを感じた瞬間だった。胸を膨らませながら、あすかは軽音サークルの見学に向かった。

つづく。