プラズマ分析器
プラズマ計測手法としては、ラングミュアプローブやファラデーカップ(Retarding Potential Analyzer)などの、あるエネルギー以上の荷電粒子流の電流を計測する積分法と、ある狭いエネルギー範囲を取り出すエネルギー分析(微分)型がある。後者には大きく分類して、
(I)E/q(エネルギー/電荷)を計測する静電分析器、
(II)P/q(運動量/電荷)を計測する磁界分析器、
(III)v(速度)を計測するTOF(Time Of Flight)法
がある。
ここで外観の写真や設計図面を掲載したのは、(I)の静電分析器で、これは、衛星周辺の荷電粒子を分析器に取り込み、静電界中を飛翔させ、検出器に到達する粒子軌道と印加した静電界(可変)との関係から粒子のE/qを知るものである。右側に原理図を示した。2つの曲板(電極)とその間にかけられた電位により生じる軌道の曲率が一致したもののみ、出口へと到達し、そこに置かれた検出器で検出される。エネルギーが低すぎる粒子は、曲げられすぎて青い軌道となり内側の電極にぶつかる。また、エネルギーの高すぎる粒子は曲がりが少なく赤い軌道となり、外側の電極にぶつかる。いずれの場合も出口に到達できない。
静電分析器の原理